残暑の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
今年の「ナントまぁ~セミナー」ですが新型コロナウィルスの感染拡大を受け、お客様の安心・安全の確保が困難と判断いたしまして残念ながら開催は中止とさせていただきます。
今年は先代所長の大久保祐孝の没後10年です。ナントまぁ~セミナーでの最後の締めのご挨拶を70周年史発刊の際に文字おこしをしていただいておりました。改めて読んでみますと、様々な気付きを得ることができました。
「最高のパートナーであり続けます」という経営理念のもと、私たちがやるべきことを日々追い求めてまいりたいと思います。
以下、先代所長の最後の挨拶になります。何かのご参考になれば幸いです。

「まったく長時間、トイレ休憩もとらずに大変手厳しいお時間を過ごして頂きまして 13日の金曜日に免じてどうぞお許し下さい。これ以上悪い日はないんだというふうに心に思いを入れて、明日からはもっとよくなるんだというふうに、先ほどの先生のお話、ツキを呼ぶ、どういうふうなきっかけになって、まあ、ある時はあると、常に思っていると、春が、冬が来るというよりも春も来るんだなという思いをひしひしとします。
 私なんかもご覧のとおり、だいぶあちらこちら白いものが増えてくる一方ですが、そういうことで、残された時間を考えると、非常にこう、少ないということが分かっている。
それだけに、次の世代に駅伝ランナーじゃないですが、確実に俺たちはこうやって苦労してきたんだよね、この日本はこうしてきたんだ

けど、とんでもない今暴走しちゃってて、とんでもない火傷をしちゃってんだよね。だけどこの得た教訓を、少しでも皆さんに知っていただいて、もっともっと、何のために働くのか、何のために生きるのか、そういうふうな理念をしっかり持たないと、ただマネーマネー、金、金だけでやっていると、やっぱりなんかそこに虚しいものがでて、そこにまた人の命をなんとも思わない非常な事件が多発する社会になっちゃう。 それを、俺たちは命がけで戦ってきた戦争の残すべき国土なのかなあというような思いが、まあ何かにつけてひしひしと思います。
それにつけても、やはりこの愛すべき国土、そこに我々生まれ育ち、そして次の世代に譲っていくわけですが、少しでも実り多きものを残していきたいなと思います。それで常にそういう面で、やはりただ無茶苦茶に頑張ればいいんじゃなくてそういう中に、こういうその、プラン・ドゥ・シ-・チェック(Plan‐Do-See-Check)という形で次のアクションに向かっていくと、それはついつい我々、何しろ、なんといいますか、「不惜身命を惜しまず、国のために日本をこうしろ」という戦争中の馬車馬式(ばしゃうましき)のよく考えますと、もっともっと世界的に見ると、今イラクでアメリカとイスラムが戦っているような、ああいう世界があったのに、我々はもう全世界がそういう状態であったと思っている。ところが今のイラクの人達は、そう思っているのかもしれないけれども、我々高見の見物をしている。まあそういうことで、非常に限られた世界だけを知っていて全体的なことが見えないという、その情報の乏しさ、それがいろいろな不幸を招いたと思います。
すでに、プラン・ドゥ・シー、そしてチェック、そしてアクション そういう形でもって、全体の構成員に、今どういうポジションにいて、どういう方向に突き進むのかというものを、心の中に何のために我々は努力するのかというものを時々数字化して、チェックして、その方向でいいのかどうかというのを問いかけながらやっていくと、どうも数字は乗っかってきたんだけど、どうもなんかこう、いまいち煮え切らないものがあるんだよね、という経営者の声に接することもあります。やはりそれは、まだまだそこの問題になんか詰めが足らないのかなと思います。
やはり、少しでも皆さんの努力した甲斐が効率よく、それが狙った方向に行って、そして、「ああ良かったね、今日も苦しかったけど、明日はもっとありがとうが言えるようにね」というような、そういう風な思いが一日一日の苦労の成果として得られる日がさらに高まることを、絶対とは言えないんでしょうけども、そういう努力をしなければ、成果は得られないんじゃないかと、そういう点で今日はいろいろ楽しい話と厳しい話と織り交ぜですけど、やはり楽しい話だけではさてなと、具体的にどう進めるのかなあという時にはこれかなあと、そういうことをやりながらもっといい話がいずれは出てくるだろうと信じて、明日を信じて、今日の、大変ですけど長時間に渡る厳しい時間帯になっちゃったんですが、研修を終わらせていただきます。
大久保会計事務所は、そういう面でこの間の、船で転覆して船底を叩いたら生きてたよと、あそこはお迎えに行ったら潜水夫さんみたいに、そういう境地にある方も救出しなくちゃならないなあというふうな使命感を持つ時もあります。やはりそして我々いい仕事をしてきたんだなあと、ただ銭だけ勘定してるんじゃないよという意味で、そういう面でもっと、仕事とは、生きるということはと思うんですが、そういうものを少しは考えてみるっていう機会がそれぞれ人生の時間にあっていいんじゃないかなと今日はしみじみ思いました。今後とも課題は非常に分かりやすいといっても現実に取り組むことで、なかなか改善はそう簡単にはいかない。だけどやはりそういうものを信じて信じて努力していくと、やはり私がよく言うのは、コップにちょっとしか水がなくても、英語ではほとんどないというのを『little』という言葉があるよと。中学の教科書に載ってまして、それだけ覚えてると。その次は、それに対してaを付けたら、『a little』と。少しはあると。同じ水の量でも、ほとんどないと少しはあると、これ本当になんか言葉が違うだけじゃないかと言うけど、そこにそのちょっとした水でも、これを甘露甘露と受け入れる気持ちと、「なんだこれっぽっちか」という、そこに意識的には大きな差がある。それぞれ人間の心理というものがあると思います。
経営とは多くの心理を束ねて一つの方向に集う同志の戦いであると思っている。そういう点を意識して、その成果をカウントできるようにしながら日々やってって、それでやっとこさっとこ、その吠影を調整するランナーになるんじゃないかなと思います。
ひとつ、今後なにかと決してたやすいことではないと思いますが、だけどそれに向かってそれぞれ挑戦していきましょうと声かけさせていただきます。
 今日は長い時間ありがとうございました。今後とも、宜しくお願いします。」