夏場の職場で気をつけたいのが、従業員の熱中症対策です。特に60歳以上の従業員は、若い方に比べて疲れやすく、暑い環境では熱中症で倒れてしまうこともあります。こうした高年齢労働者の労働災害を防ぐための設備投資を後押しするのが、「エイジフレンドリー補助金 熱中症対策コース」です。

この補助金は、60歳以上の従業員(週20時間未満勤務の嘱託社員も対象)の労働災害の防止のため、負担の大きい作業を解消する取組に必要な経費を支給します。本記事では、認定経営革新等支援機関の立場から、助成額・対象・申請の流れをわかりやすく解説します。

第1章|助成額と申請の流れ

■ 助成額

機器の購入・工事の施工等にかかる**費用の50%**を支給します。最大200万円までの購入に対応し、助成の上限は100万円です。

■ 申請の流れ(4ステップ)

  1. 計画書を提出
  2. 承認
  3. 契約・購入
  4. 支給申請

購入や契約は「承認後」に行うのが基本です。順序を誤ると対象外になる可能性があるため注意しましょう。

第2章|補助金の対象となる取組の例

熱中症対策コースでは、身体機能の低下を補い、体表面や身体を冷却するための機器などが対象とされています。たとえば次のような取組が挙げられます。

  • 屋外作業等における体温を下げるための機能がある服など
  • 作業場などに設置する移動式(熱排気ができるタイプ)のスポットクーラー
  • アイススラリーを冷やすための専用の冷凍ストッカー
  • 熱中症の初期症状等の体調の急変を把握できる小型携帯機器(ウェアラブルデバイス)による健康管理システムの導入

【令和8年度の注意点】 令和8年度のQ&Aでは、事務室や作業場のエアコン・送風機・工場扇は補助対象外とされています。また、アイススラリー本体・スポーツドリンク・保冷剤などの購入も対象外です。「去年は対象だった」設備が対象外になっている場合もあるため、購入前に必ず最新の公募要領・Q&Aで対象可否を確認しましょう。

第3章|申請期限・提出先・必要書類

■ 申請期限

令和8年5月20日(水)から**令和8年10月31日(土)**までです。ただし、予算の上限に達し次第、受付を終了する可能性があります。夏本番の熱中症リスクを考えると、早めの申請が安心です。

■ 提出先

一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会「エイジフレンドリー補助金事務センター」です。

■ 添付書類(例)

必要書類は事前に問い合わせが必要ですが、主な例は次のとおりです。

  • 各種申請書・調書(交付申請書、事業実施計画書、経費所要額調書 など)
  • 見積書(導入したい設備や工事の業者が発行したもの)
  • 対象となる高年齢労働者名簿(60歳以上の労働者が在籍していることを確認できるもの)
  • 就業規則または雇用契約書(労働条件を確認するため)
  • 決算書や法人税申告書の控え(中小企業事業者の規模要件を確認するため)

第4章|「令和8年度は全3コース」熱中症対策コースの位置づけ

エイジフレンドリー補助金は、令和8年度は次の3コースで構成されています。

  • 専門家総合対策コース
  • 熱中症対策コース(本記事のテーマ)
  • コラボヘルスコース

60歳以上の方については、労働安全衛生法第62条で中高年齢者等への配慮が努力義務として規定されています。あわせて、会社の代表者には安全配慮義務があるため、就業環境については会社として検討していく必要があります。高年齢労働者が安心して働ける職場づくりに、活用しやすい補助金といえます。

まとめ・ご相談案内

エイジフレンドリー補助金の熱中症対策コースは、送風機やスポットクーラー、冷却機能のある服、ウェアラブルデバイスなど、職場の熱中症対策に幅広く活用できる制度です。予算の上限に達すると受付が終了する可能性があるため、対象になる取組を早めに整理し、計画的に申請することが大切です。

「自社の設備投資が対象になるか知りたい」「計画書や必要書類の準備を進めたい」——そんな方は、ぜひお早めに私どもへご相談ください。認定経営革新等支援機関として、各種補助金・助成金の活用や就業規則の整備などとあわせて、幅広くサポートいたします。