令和7年分(2025年分)の確定申告期間は、2026年2月16日(月)~3月16日(月)です。今年は基礎控除の大幅引き上げをはじめ、重要な税制改正が複数あります。申告直前に慌てることのないよう、必要書類と準備のポイントをチェックリスト形式で解説します。早めの準備で、スムーズな申告を目指しましょう。
2026年確定申告の主な変更点
基礎控除額が最大95万円に引き上げ
令和7年分から基礎控除額は所得に応じて段階的に引き上げられ、最大で95万円となります(所得が高い方は控除額が段階的に低くなります)。
給与所得控除の見直し
給与所得控除の最低保証額が引き上げられるなど変更があり、年収帯に応じて控除額が変わります。具体的な金額表をご確認ください。
e-Tax利用の重要性が増大
令和9年(2027年)以降、紙による申告の場合、青色申告特別控除が現行の55万円から10万円へ大幅に減額される予定です。一方、e-Taxで電子申告を行えば、引き続き65万円の控除が受けられます。今のうちからe-Tax利用に慣れておくことが重要です。
必要書類チェックリスト
申告に必要な書類を、対象者別に整理しました。該当する項目をチェックしながら、早めに準備を進めましょう。
【全員共通】
□ マイナンバーカード(または通知カード+運転免許証などの本人確認書類)
□ 銀行口座情報(還付金受取用の通帳またはキャッシュカード)
□ 前年分(令和6年分)の確定申告書控え
マイナンバーは申告書への記載が必須です。マイナンバーカードがあれば、本人確認も同時に完了します。
【給与所得者】
□ 源泉徴収票(勤務先から発行、マイナポータル連携で自動入力可)
□ 年の途中で退職した方は、全ての勤務先の源泉徴収票
令和7年分から、マイナポータル連携により源泉徴収票の情報が自動入力できるようになりました。事前にマイナポータルの設定をしておくと便利です。特に令和7年中(2025年中)に退職された方は、源泉徴収税額の還付を受けられる可能性が高いため、必ず確定申告を行いましょう。
【個人事業主・フリーランス】
□ 会計帳簿(現金出納帳・売上帳・仕入帳・経費帳など)
□ 請求書控え・領収書・レシート
□ 青色申告決算書または収支内訳書
□ 青色事業専従者給与に関する届出書(該当者のみ)
日々の記帳が申告の基本です。会計ソフトを利用している場合は、データのバックアップも忘れずに。
【控除関係】
□ 医療費控除の明細書(年間医療費が10万円超の方)
□ セルフメディケーション税制:対象市販薬の領収書(年間12,000円超)
□ 社会保険料控除証明書(国民年金・国民健康保険など)
□ 生命保険料控除証明書
□ 地震保険料控除証明書
□ ふるさと納税の寄附金受領証明書
□ 住宅ローン控除関係書類(住宅借入金等特別控除証明書、残高証明書)
控除証明書の多くは、マイナポータル連携により自動入力が可能です。紙の証明書を探し回る手間が省けるため、ぜひ活用しましょう。
医療費控除の確認ポイント
医療費控除には2つの選択肢があります。どちらか一方のみを選択できるため、ご自身の状況に合わせて有利な方を選びましょう。
通常の医療費控除
年間の医療費が10万円(または総所得金額の5%のいずれか低い方)を超えた場合に適用できます。控除額の上限は200万円です。病院での治療費、処方薬代、通院のための交通費などが対象となります。領収書の提出は不要ですが、「医療費控除の明細書」の作成が必要です。領収書は5年間保管しておきましょう。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)
健康診断や予防接種などを受けている方が、特定の市販薬(スイッチOTC医薬品など)を年間12,000円を超えて購入した場合に適用できます。控除額の上限は88,000円です。令和4年から対象品目が拡大され、スイッチOTC以外の一般用医薬品も対象に含まれるようになりました。対象商品のレシートには「★」マークや「セルフメディケーション税制対象」と記載されています。
なお、この制度の適用期限は2026年12月31日までとなっていますので、ご注意ください。
どちらを選ぶべきか
医療費が少なく、市販薬を多く購入している場合はセルフメディケーション税制が有利です。逆に、入院や手術など高額な医療費がかかった場合は通常の医療費控除を選びましょう。ただし、一度選択すると後から変更はできませんので、慎重に検討してください。また、家族全員分の医療費・市販薬購入費を合算できます。
ふるさと納税の注意点
ワンストップ特例の締切に注意
2025年に寄附をされた方のワンストップ特例制度の申請期限は、2026年1月10日(金)必着でした。この締切に間に合わなかった方は、確定申告での手続きが必要です。
確定申告でふるさと納税を申告する場合
ワンストップ特例を申請済みの方でも、医療費控除や住宅ローン控除などで確定申告を行う場合は、ワンストップ申請が自動的に無効になります。そのため、ふるさと納税の寄附についても確定申告で改めて申告する必要があります。申告漏れのないよう、全ての寄附について「寄附金受領証明書」を準備しましょう。
マイナポータル連携を利用すれば、ふるさと納税の寄附金情報も自動で入力できるため、大変便利です。
なお、2026年に寄附をされる予定の方は、ワンストップ特例の申請期限が2027年1月10日となりますので、覚えておきましょう。
e-Tax・スマホ申告の準備
令和7年分の確定申告から、スマホでの申告がさらに便利になりました。
スマホ申告の進化
今年から「iPhoneのマイナンバーカード」および「Androidスマホ用電子証明書」に対応しました。これにより、物理的なマイナンバーカードをスマホで読み取る必要がなくなり、生体認証(顔認証・指紋認証)だけで本人確認が完了します。マイナポータル連携を活用すれば、源泉徴収票や各種控除証明書の情報も自動で入力されるため、申告書の作成時間が大幅に短縮されます。
e-Tax利用のメリット
- 24時間いつでも申告可能:税務署の開庁時間を気にする必要がありません。還付申告は1月4日から受付開始です。
- 還付金が早い:e-Taxで申告すれば、約3週間で還付金が振り込まれます(書面申告は1~2ヶ月)。
- 青色申告特別控除65万円の要件:個人事業主の方は、e-Tax申告が65万円控除の必須条件です。
- 添付書類の提出省略:多くの書類について、データ送信や提出省略が可能です。
今すぐやるべき準備
申告期間が始まる前に、以下の準備を済ませておきましょう。
□ マイナンバーカードの取得(未取得の方)・有効期限の確認
□ マイナポータルアプリのインストール
□ スマホへのマイナンバーカード機能追加(iPhoneまたはAndroid)
□ e-Taxマイページで「本人確認/情報取得希望」を設定
□ 利用者識別番号の取得(初めてe-Taxを利用する方)
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に従って入力するだけで申告書が作成できます。スマホ・パソコンどちらでも利用可能です。
申告前の最終チェック
申告書を提出する前に、以下の項目を最終確認しましょう。
□ 必要書類が全て揃っているか
□ 所得金額の計算は正確か
□ 控除の適用漏れはないか(特に基礎控除95万円の反映確認)
□ マイナポータル連携の設定は完了したか
□ 還付金の振込口座情報は正確か(口座番号の誤りに注意)
□ マイナンバーの記載・本人確認書類の添付は完了したか
特に、今年から基礎控除が引き上げられているため、申告書に正しく反映されているか必ず確認してください。会計ソフトを利用している場合も、最新版にアップデートされているか確認しましょう。
まとめ
令和7年分の確定申告は、基礎控除の大幅引き上げにより、多くの方に減税効果があります。また、e-Taxとマイナポータル連携の進化により、申告手続きがこれまで以上に簡単になりました。早めに準備を始め、余裕を持って申告期限を迎えましょう。
ご不明な点や複雑な申告でお困りの際は、当事務所までお気軽にご相談ください。